化学部門


  大学院理学研究科化学専攻の教職員や院生、理学部化学科学生によって利用され、
以下のような研究がされています。

  私たちの研究室では、新しい原子の創造―超重元素とエキゾチックアトムの化学 を旗
印に、ここにあげたテーマの研究を進めています。特に当センターでは、(2)のテーマのた
めの装置開発や、その基礎となる(3)の単一原子の化学への放射化学的アプローチと、
(4)の重核合成を目指した核反応の実験を主に進めています。

 [研究テーマ] (1) エキゾチックアトムの形成機構の解明とその化学への応
          (2) (超)重元素の化学的・核的性質
          (3) サブトレーサー量から1個の原子の化学
          (4) 重イオン核反応と重核合成

  エキゾチックアトムとは、原子(アトム)の中の核(陽子と中性子から成っています)あるいは
軌道電子を他の素粒子で置き換えた奇妙な原子のことです。電子をミューオンやパイオンで
置き換えた原子は、ガリバーの小人の国を出現させます。そこでは、勝手に核融合が起こり
ます。

 周期表の上限はウラン(92番元素)でしたが、原子炉や加速器でそれよりも重い元素が作
られてきています。しかし、その寿命は急速に短くなってきているので非常に難しい実験にな
ってきています。でも、116番元素が長寿命であろうと予測されていて、 超重元素と呼ばれて
います。どのような化学的性質か、興味のあるところです。